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腰がいたい
腰痛は、ほとんどの人にやってきますが、ひとことで腰痛といっても原因は、症状も様々です。
腰のつくりは複雑です。腰椎は5つの椎骨が積み重なっていて、上は胸椎、下は仙椎つまり骨盤とつながっています。それぞれの椎骨は椎間板、椎間関節、種々の靱帯で上下の椎骨とつながっていて、強度と柔軟性を維持しています。強度と柔軟性というふたつの相反する働きを維持する必要があり、これらが障害を受けると腰痛として現れます。
中高年の方の腰痛の原因としては、次のようなものがあります。
●腰の筋肉やスジが痛む筋・筋膜性腰痛
歩きすぎた後や、重いものを持った後などに、起きやすい腰痛です。安静で改善することが多いものですが、仕事や家事をそのまま続けていると慢性化します。
●変形性腰椎症 |
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年をとると、腰椎も長い間、身体を支持してきた結果、「変形」してきます。変形とは具体的に、椎間板が傷んで薄くなり、クッションがなくなるので、椎骨の骨の出っ張り(骨棘:こつきょくといいます)ができたり、骨が硬くなったり(骨硬化といいます)してくることです。(レントゲン)こうした変化の中で、椎間板の痛みや、椎間関節(腰椎の左右の後ろ側にあって、上下をつなぐ関節)の痛みなどが出てきます。
●腰椎椎間板症 |
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椎間板に負担がかかって痛む場合に、腰椎椎間板症と呼びます。重いものを持ったり、無理な姿勢を続けたりして、腰のベルトの高さの奧の方が痛む、前屈みで痛むといった症状が多くみられます。腰椎ベルトを装着して、安静にしていると徐々によくなります。
●腰椎椎間板ヘルニア |
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とても有名な病気です。椎間板が負担に耐えかねて飛び出してしまい、その先にある神経を圧迫して、脚のしびれや痛みがでたり、筋力が落ちたりするものです。重いものを持ったり、無理な姿勢をした拍子に、腰痛が出て、同時または数日以内に太ももの外側やふくらはぎなどの痛みがでた時に、椎間板ヘルニアを考えます。
●腰部脊柱管狭窄症 |
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変形性腰椎症にともなって、腰の神経の通り道が狭くなってきて、圧迫された神経の症状が出てくる病気です。脚のしびれや痛み、特に5分または10分といった一定の時間歩いているうちに、脚の痛みがでてくる場合は要注意です。また、筋力が弱くなる、残尿感や頻尿といった膀胱症状もでてきます。
●骨粗鬆症 |
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年をとるとともに、骨が弱くなって骨折しやすくなる病気です。ただ骨がふつうに弱くなるのは加齢現象ですが、それ以上に骨が弱くなっている、または、現時点でどんどん骨が弱くなりつつある、といった状態は、改善する必要があります。
ただ、腰の痛み、ということから考えると、骨が弱くなるだけでは、普通、腰は痛くなりません。急激に弱くなっている場合や、圧迫骨折を生じたときに痛むのです。
●脊椎圧迫骨折 |
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尻モチをついたり、転んだりした際に、脊椎が潰れるように骨折するものです。普通は、ひとつだけが骨折します。強烈な痛みで、1週間くらいは寝返りもできない状態です。ですが、3週から4週経つと徐々に立ったり、歩いたりできるようになります。これを症候性骨折といいます。臨床的な圧迫骨折はこのことです。
特に痛みやきっかけがなく、徐々に脊椎の高さが減っていくこともあります。症状がないので形態骨折といいます。
80歳を越えると半数以上の方が、上記のいずれかの圧迫骨折を少なくともひとつは持っていると言われています。
以上のように、腰痛の原因にはいろいろあります。
詳しくはそれぞれのページをご覧下さい。
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