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脊椎圧迫骨折とは?
骨粗鬆症でもっとも多い骨折です。転んだ衝撃で背骨がつぶれておきることが多いです。
背骨のことを専門的には「脊椎」と呼んでいます。脊椎圧迫骨折は、脊椎が押し潰されるように変形してしまう骨折です。骨折の原因は骨粗鬆症が進んで、脊椎が弱くなったため、少しの衝撃でつぶれてしまうのです。転倒・しりもち・くしゃみなどで起こります。骨折は、背骨の中でも胸と腰の境い目の部分におきることが多いです。
圧迫骨折の急性期は、強い痛みがあります。レントゲンやMRIをとると、骨折がわかります。
どんな症状があるの?
本来、折れた骨はくっついて固まるので痛くなくなりますが、骨粗鬆症が進んでいると、折れた部分が固まらない場合があります。このときは痛みが残ったり、骨折後何ヶ月かたってから足のしびれ、痛み、動きにくさなどが出てくることがあります。
どんな治療があるの?
通常はコルセットをつけるなどして、安静にしていると痛みは軽減してきます。徐々に動けるようになりますが約1か月は辛い思いをすることになります。痛みがひどい場合は、鎮痛薬などの内服・座薬・注射を受けます。重症で神経障害が出る場合には、入院・手術をすることもまれにあります。
一度、つぶれてしまった脊椎は基本的に元には戻りません。何箇所も圧迫骨折を起こすと背骨が曲がったり、身長が低くなったりします。また、早期に無理をすると背骨の変形が進むことがあります。稀にこの変形により脊髄神経を圧迫して両下肢麻痺となることがありますので、痛みのある間の1〜2か月は無理をしないことが大切です。
最近、圧迫骨折の急性期や、時間が経っても骨折部分が十分に治らず強い痛みが続く場合などに、ペースト状のカルシウムや合成樹脂ペーストなどの硬化性材料を椎体内に注入することにより骨折部を安定させて、手早く痛みを取るという方法が行なわれるようになっています。アメリカでは、かなり普及したやり方ですが、長期入院がしやすい環境のわが国では、それ程は広がっていません。全身状態がよく、治療法の趣旨や長所短所が良く理解できれば、受ける価値のある治療法といえます。
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