OIE 高齢者運動器疾患研究所
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骨と関節 Q&A

① りんご酢は毎日飲むと骨が弱くなるのでしょうか?


酢を飲んで、骨が弱くなる事はありません。
酢そのものは酸性ですので、魚の骨などを漬けておくと柔らかくする作用がありますが、飲んだ後の酢は、分解されてアルカリ食品として働きます。カルシウムの吸収を助ける働きもあり、骨に良い食品といえます。




② 骨密度検査はどの位の間隔で受ければよいのでしょうか?

外来で骨粗鬆症の治療をしている場合は、6ヶ月に1回の骨密度検査をしています。
ですが、一度検査を受けて十分な骨密度があるとわかった場合は、1年から2年に1度でも構いません。
骨が弱くなっていく速さを推測できる「骨代謝マーカー」を測ると、さらに詳しく次ぎに測るべきタイミングがわかりますが、これについては外来でご相談ください。




③ 骨粗鬆症の自覚症状は?検査以外の発見方法は?

骨粗鬆症のもっとも強い症状は骨折で、骨折のない骨粗鬆症はあまり症状がありません。ただ、骨がとても弱くなっているとき、急激に弱くなっていっているときは、左右対称の背中の痛みや、太ももの痛みを感じる事があります。午後から夕方にかけて徐々につらくなってくる痛みも注意が必要です。痛み以外では、背中が丸くなってきている、身長が低くなってきた、などの場合にも骨粗鬆症の検査をすると良いと思います。



④ ビスフォスフォネート服用していましたが、乳がんの疑いのため、乳房外科に通院中です。 圧迫骨折があり、腰痛で困っています。

質問の本意ではないかもしれませんが、ビスフォスフォネートと乳癌発生は無関係です。
エストロゲン(女性ホルモン)は乳癌の発生を高めますが、ビスフォスフォネートは、全く別の薬剤です。
圧迫骨折は、つぶれ方が少ないほど痛みが早く落ち着きます。ですが、つぶれ方がひどい場合、骨折がきちんとなおっていない場合、骨折して変形した骨が神経を圧迫している場合、1年や2年近く痛み続く場合があります。やはり、一度レントゲンを撮って、どういう状態かを確かめる必要があります。
長い時間がかかることもありますが、必ず痛みは軽くなります。



⑤ 膀胱直腸障害と前立腺肥大症との関係はありますか?

関係ありません。
通常、膀胱直腸障害という言葉は、神経の障害でおきるものをいいます。
前立腺肥大症で尿が出にくくなるのは、尿道が圧迫されて狭くなるためのもので、機序が違います。




⑥ 骨粗鬆症が原因でばね指になりますか?

なりません。ばね指は指を曲げる腱の腱鞘炎です。




⑦ 水中ウォーキングは何分くらいがよいでしょうか?
温水プールでも体を冷やすのはよくないですか?


水中ウォーキングの大きな利点は、水の抵抗で筋肉が鍛えられる事です。筋肉に負荷がかかるので骨にも適度な刺激があり、骨粗鬆症の予防にも良いとされています。
また、太ももの筋肉が強くなると膝の痛みの軽減にもなりますのでお勧めです。
さて、時間の長さです。
一般に、運動の長さを考えるときに、その運動が心臓や肺を丈夫にするためのものか、脂肪を燃やすためのものか、筋力を鍛えるためのものかで違ってきます。心臓や肺を丈夫にする、脂肪を燃やすと行った目的のためには、30分以上かけた運動を、比較的ゆっくりする必要があります。一方、水中ウォーキングは筋力を鍛えるものですので、長時間続けなければいけないものではありません。
少し大変かなと思うスピードで歩いて、あ~疲れたなと思うところまで歩く事を3回くらい繰り返すくらいがちょうど良いかと思います。時間的には、10分間を3回程度でしょうか。多くても構いませんが、疲れや筋肉痛などが翌日以降に残らないようにしてください。
また、プールの深さ、水流の有無や速さにもよるので、プールの指導員の方に相談する事も大切です。




⑧ 昨年8月、脊椎第6圧迫骨折で入院。退院後も慢性的に背中に圧迫感があります。
一生治らないのでしょうか?
身長が8~9cm低くなってしまいましたが、原因は圧迫骨折によるものでしょうか?


圧迫骨折の痛みは、1ヶ月以上過ぎても痛みが残り慢性化する事があります。
これは、次の3つの場合があります。
そのうちのどれかを確かめるには、骨粗鬆症の専門診療ができる整形外科を受診してください。

1つ目は、脊椎のつぶれ方がひどく、横からみてほとんど三角形に見えるような場合に、そこで背骨が「くの字」に曲がり、痛みが長く続く場合です。
なかなか良くなりませんが、できるだけ、前かがみになってこないように背筋をのばして、背中の筋肉を強めましょう。

2つ目は、圧迫骨折も1ヶ月から1ヶ月半くらいたちますと、普通の骨折と同じように「骨がついた」状態になりますが、時に骨がつかずにぐらついたままの状態になる事があります。
これを「偽関節」といいますが、こうなると長く痛みが続きます。手術で固定する方法もありますが、半年から1年かけて徐々に良くなってくる場合が多い事も確かです。
この場合も、できるだけ、前かがみになってこないように背筋を伸ばして、背中の筋肉を強めましょう。

3つ目は、圧迫骨折した背骨によって、腰の神経が圧迫されている場合です。
この場合は、腰の痛みとともに、臀部の痛みや脚の痛みが出てきます。大変強い痛みになる事もあります。
これも時期が来るとなおってくる場合が多いのですが、時間がかかります。レントゲンとともにMRIをとると神経の圧迫の有無がよくわかります。




⑨ 朝、起床前にふくらはぎが痛くなります。予防法はありませんか?


ふくらはぎが痛くなるのは、筋肉がつる状態かもしれません。
予防法は、次の通りです。
1.ふくらはぎの筋肉のストレッチ
アキレス腱を伸ばす要領で、膝を伸ばして足首を強く反らせるとアキレス腱とともにふくらはぎの筋肉がストレッチされます。これを寝る前に、10秒間を3回してください。また、つった時もアキレス腱を伸ばすようにするとつりが治まります。
2.ふくらはぎに湿布をはって寝る。
3.漢方の薬、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を寝る前にのんでおくと、脚のつりに効きます。これは、普通の病院でも処方してくれます。相談してみてください。




⑩ むずむず足症候群と診断されました。一生治りませんか?


「むずむず足症候群」とは、足に「ムズムズする」「かゆい」「痛い」「虫がはっているよう」をいった不快感のために睡眠不足に陥る睡眠障害の一種です。足の問題ではなく、寝られないことが問題なので、よく寝られない場合は、不眠の専門家(精神科の先生になります)に相談してみてください。治りにくいようですが、症状が全く良くならないということもないようです。



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