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福島県双葉町の避難所の旧騎西高校でロコトレの指導をしました

埼玉県加須市の旧埼玉県立騎西高等学校では、福島県双葉町の約1300人の方が避難生活を送っています。
避難所での生活が長くなるにつれて、とくに高齢の方々が床に座り込んだ生活をしているうちに、歩けていたのに歩けなくなってしまうことが増えています。
そこで、5月21日に、日本臨床整形外科学会、日本整形外科学会などと、スポーツジャーナリストの増田明美さんが一緒になって、ロコトレの講習会をおこないました。
題して、「増田 明美さんと一緒にロコトレをしよう!!」。
私も学会からの派遣という形で、ロコトレの指導をしてきました。当日の様子をご紹介します。

ロコトレ指導について
5月21日は、暑いほどの好天気でした。
伊奈病院での午前中の診療をしたあと、午後1時過ぎに旧騎西高校に到着しました。
高校の正門を入ったところ、思ったより明るい雰囲気で活気があり、驚きました。
若い人が荷物を運んだり、お年寄りが歩いていたり、子供が走ったり自転車で遊んでいたりと、様々な年齢層が同居している温かさが感じられ「にぎやかなコミュニティ」という印象です。
講演会の前に、双葉町副町長の案内で生活区域を見学させていただきました。
体育館や校舎の2階や3階には比較的元気な方が多いのですが、校舎の1階には、要支援、要介護の方たちの部屋があり、ここでは日中でも横になっている方が少なくありませんでした。
全体で計30名程度の要支援、要介護の方が避難所で生活しており、やはり徐々に歩けなくなってきている方が少なくないとのことでした。
会場は4階建ての校舎に囲まれたバレーボールコート2面くらいの広さの中庭です。
ここにイスを並べ、前方に簡単なステージを作って開催されました。
参加されたのは、比較的若い方から80歳近い方まで、町の職員の方も含めて約70名でした。
埼玉県整形外科医会副会長の柴田輝明先生の司会でスタートです。
まず、双葉町長のあいさつ。避難所生活も2か月を過ぎたが、これからも双葉町に帰る日を夢見て頑張ってほしい、町としても県や政府と協力しながらできるだけのことをして行きます、との言葉に涙を拭う人も見受けられました。
次は、日本臨床整形外科学会の藤野圭司先生のロコモについてのお話。避難所で動かない生活をしていると動けなくなり、ロコモティブシンドロームに陥りやすい。ウォーキングやロコトレをして足腰をきたえましょうと話されていました。
そして増田明美さんの美しい歩き方の話です。姿勢を良くする歩き方のコツとして、おへそが斜め上方45度から引っ張られているような気持ちで歩くと、自然と姿勢がかっこよくなるとのこと。
印象に残ったのは、都はるみの物まねで歌った「あんこ椿は恋の花」です。
顔がもともと似ていますが、表情、身振り、シナの作り方、コブシのきかせ方、すべてにおいて完璧でした。
次が石橋です。ロコモの講習会や講演会などで用いているロコトレのパンフレットをベースにして、ロコトレの意味合いを説明したあと、「大きな古時計」と「森のくまさん」をピアノ伴奏のCDに併せて、みんなでスクワットと片足立ちを歌いながら行いました。
このあと、再び、増田さんが登場し、参加の方々と約20分間のウォーキングを行いました。
参加の方々もですが、町長、副町長にもたいへん喜ばれました。終了後、体操のパンフレットと伴奏のCDを、介護支援の責任者の方にお渡しして帰ってきました。少しでも役立てばいいなと思います。
当日はNHKが取材に来ていて、5月25日の「ゆうどきネットワーク」で会の様子が紹介されました。

当日の様子はこちら



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