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変形性股関節症とは?
一般的に、変形性関節症とは、骨や関節での軟骨や椎間板の変性や摩耗をおこし、骨が硬くなったり骨棘(脊椎や関節の骨から出るとげのような骨)ができたりして、全体に変形していくものです。
症状を伴わない関節変形は加齢現象であり、治療の必要はありません。逆に、痛みが強かったり、関節の動きが悪いなどの機能障害がある場合は、整形外科を受診して状況の評価をしてもらいましょう。
変形性関節症の頻度が多い関節は、膝関節、股関節、手の遠位指節関節(指の付け根から遠い方の指の関節)です。
どんな症状が出るの?
多くの場合、先天性股関節脱臼(赤ちゃんの時の股関節脱臼です)や臼蓋形成不全症からの二次性変形性股関節症です。臼蓋形成不全症は、股関節の骨盤側の受け手である臼蓋が浅い状態で関節の一部分に荷重がかかりやすいため軟骨が磨耗しやすく関節症へ進みやすくなります。高齢者の場合、特に背景のない一次性変形性股関節症も増えています。
症状は、主に立位、歩行時の股関節痛と、股関節の可動域制限です。安静時痛は強くありません。可動域制限は、脚がまっすぐ伸びなくなって、広がりにくくなります。また軟骨とともに骨も擦り減ってくると、脚の長さが短くなり歩きにくくなってきます。
どんな治療があるの?
変形性膝関節症とほぼ同様で、理学療法、消炎鎮痛剤などの内服薬および外用薬、手術です。減量はやはり重要で、減量により痛みを軽減し、進行を遅らせることができます。また、可動域制限が進まないように、脚をまっすぐ伸ばすこと、外側に広げるようにすることは大切です。手術は骨切り術と人工股関節手術があります。膝と同様に人工股関節手術も長期成績が良好でリハビリの進みが早いといった利点から手術件数が年々増えています。
最近、人工股関節手術の手術器械が進歩し、手術の技術も向上してきて、従来の半分程度の皮膚切開で、人工股関節の手術ができるようになってきました。皮膚切開だけでなく、筋肉なども切る量が少なくなったため、術後の痛みが少なく、リハビリも早く進みます。
変形性股関節症のレントゲン
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