骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症の検査には、二重X線吸収法(DXA)による腰椎、大腿骨頸部骨密度が一番信憑性の高い検査方法として、使用されています。
その理由は、一つには、数値で表せる事、もう一つは、骨折の評価に一番重要な大腿骨頸部を測定できる事です。しかし、DXAは高価であり、装置も大きいため、大きな病院にしかありません。また、放射線を使用するため、被爆の問題もあります。
したがって、DXA以外にも、レントゲンを用いた方法や超音波を用いた方法などが開発されています。
また、血液や尿検査などでも、骨粗鬆症の状態が分かります。
DXA
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現在、最も信憑性が高い検査法である。
腰椎、大腿骨頸部、前腕にて、計測する。
ただし、装置が高価で大きく、また、放射線を使用するため、被爆の問題もあります。 |
MD法
第2中手骨(人差し指)で測定します。レントゲン写真をとり、その濃度をアルミのスケールを比較して骨塩量を測定します。レントゲンを撮るだけなので簡便であるが、手での評価であるため、ほかの部位の骨折のリスク評価に関しての信頼性はDXAよりも低い。 |
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超音波測定法
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踵骨や脛骨で測定します。放射線ではなく超音波での測定のため、被爆がなく、また、装置が小さいため、持ち運びも可能です。しかし、踵骨や脛骨での評価であるため、その他の部位の骨折のリスク評価に関しての信頼性は、DXAよりも低い。 |
その他、CTを用いた方法(QCT)やレントゲン写真をもちいた方法(骨萎縮度、Singh Index)などもあります。
血液・尿検査
血液・尿検査では、骨そのものの強さを直接はかる事はできませんが、骨形成、骨吸収がどのくらい行われているかを調べる事ができます。
すなわち、骨形成の値(骨形成マーカー)が高ければ、骨がよく作られていて安心という事です。骨吸収の値(骨吸収マーカー)が高ければ、骨がどんどん吸収されているという事で、骨粗鬆症の心配ありということになります。また、骨粗鬆症薬に一番敏感に反応するので、薬の効果判定にも用いられます。
骨形成マーカー
@血中骨型アルカリホスファターゼ
骨芽細胞で産生されるため、骨形成の指標となります。
A血清オステオカルシン
骨芽細胞から分泌されるたんぱくで、骨形成の指標となります。
B骨吸収マーカー
尿中デオキシピリジノリン
骨吸収の際に、放出され尿中に排泄されるため、骨吸収の指標となります。
DNTX
骨表面で破骨細胞が骨破壊を起こす際に産生されるタンパク質で、骨吸収の指標となります。これまで、尿中で測定してましたが、最近、血清NTxが測定できるようになり、高い精度での骨吸収測定が可能となりました。