わかる!くわしい!高齢者の整形外科疾患
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関節リウマチの検査

関節リウマチが疑われたら、さまざまな検査をして診断します。また、「関節リウマチ」と診断が確定したあとも、治療の効果や副作用をみるために定期的な検査を行います。
定期的に行う血液検査と尿検査では、抗リウマチ薬の副作用や関節リウマチの活動性をチェックすることができます。


血液検査

リウマチ因子
いくつかの測定方法があり、結果は(+)や(−)で表示されるものと、数値で表示されるものがあります。
アメリカリウマチ学会の診断基準のひとつに含まれており、病気の診断の時に役立ちますが、関節リウマチ患者さんの大部分の方は陽性ですが、陰性の患者さんもいます。リウマチ因子の数値は、一般的には病気の活動性を反映するものではないと考えられています。

CRP(C反応蛋白)
炎症がおこると肝臓で作られる蛋白で、炎症の程度を反映する指標です。
CRPは敏感に(日単位)炎症の変動を捉えることができます。風邪をひいたり、感染を起こしたりしたときにも鋭敏に反応するので、判断には注意が必要です。

血沈
炎症の程度を表すもうひとつの指標です。
関節リウマチの指標として昔から使用されていますが、CRP同様、様々な影響を受けます。また、貧血があると影響を受ける検査ですので評価には注意が必要です。

その他

炎症の増強と共に、血を止めるのに重要な血小板というものの数が増えたり、貧血が進行したりすることがあります。関節リウマチとは直接関係ありませんが、薬の副作用や他の病気との合併などを調べるための一般検査もチェックします。
肝臓が障害を受けると、GOT(AST)やGPT(ALT)の値が高くなります。カリウム(K)値の異常や、血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン値の増加は腎機能の低下を意味します。さらに、こうした検査で、抗リウマチ薬の副作用や合併症の有無が判ります。


レントゲン検査

関節リウマチの診断および局所の関節の経過観察に、レントゲン検査は非常に有用です。
まず、関節リウマチを疑った際には、両手の正面像とともに症状のある部位をレントゲン撮影して評価する必要があります。初期には、関節周囲の骨が薄く見えてきます。
進行していくと、関節面の破壊や脱臼などがみられます。さらには破壊された関節面が消失し融合しているように見えることもあります。 レントゲンでは軟骨はみえないので、もしも関節軟骨が磨り減っていれば、骨と骨が接しているように見えるでしょう。また、さらにその状態が続けば、レントゲンで見える関節面が不整(デコボコ)に見えてきます。
このような状態になってしまうと、人工関節などの手術的治療が有効となります。

関節リウマチの典型的な場合
内側に脱臼気味になっている肘
O脚に変形している膝
主に手首と手根骨の骨破壊が見られる
関節リウマチの典型的な場合
関節面がえぐれるような変形をきたし
内側に脱臼気味になっている肘
内側の関節面が磨り減って
O脚に変形している膝



CT検査・MRI検査

リウマチの頸椎MRI像

リウマチの頸椎MRI像
従来のレントゲンだけでは、滑膜の炎症やわずかな骨の変化を捉えるのは困難であることから、関節の正確な評価にCT・MRIを用いることがあります。
リウマチの関節破壊が進行すると、増殖した滑膜軟骨下の骨を侵食しはじめますが、その浸食の程度を把握するのにCT・MRIが有効であると考えられます。
これらの検査は、関節破壊がある程度進行してしまい、人工関節などの手術的治療を検討する場合に用いられます。また、リウマチにより首の第1頚椎と第2頚椎の間でよく脱臼が起こるので、痺れや筋力低下などの神経症状が現れた場合、頸椎MRIで頸椎の不安定性・脊髄圧迫の程度を評価することができます。

*上の画像は第1頸椎と第2頸椎の間の関節が不整となり、そのレベルで、脊髄の通り道が狭くなっている。


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