運動器とは
「運動器」とは、骨、関節、筋肉、靱帯、神経といった人間のからだの動きを担当する組織・器官のことです。たとえば、呼吸に関わる器官は「呼吸器」、消化に関わる器官は「消化器」といった言葉と同様です。
からだを動かすためには、骨や関節の状態が良好に保たれて、さらに神経が正しくはたらいて筋肉を動かすことが必要です。これらの「運動器」に何らかの障害がおきるのが運動器疾患です。「運動器」の病気は、皆さんのからだの動きを直接左右するものなのでとても重要です。膝の痛みの原因となる変形性膝関節症や、骨が弱くなる骨粗鬆症、脚のしびれの原因となる腰部脊柱管狭窄症、また、骨折なども運動器疾患に含まれます。身近な病気から、あまり知られていない病気までさまざまです。
また、年をとるにつれて、この「運動器」も老化します。いわゆる足腰が弱くなる状態です。老化自体は病気とはいえませんが、同じ年齢の高齢者でも身体をよく動かしている人の方が「運動器」はいい状態ですし、病気にもなりにくいものです。つまり、「運動器」については、病気も老化も、ある程度予防できるというわけです。
WHO(世界保健機構)は2000年から10年間を「骨関節の10年」(Bone and Joint Decade)と命名して、「骨と関節に関する病気を10年間で撲滅しよう」とするキャンペーンをおこなっています。
「運動器」の病気は、寝たきりにつながったり、呼吸器や循環器の病気の原因ともなります。幸せで健やかな生活のために、あなたの「運動器」を健康に保ちましょう。