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ばね指とは?
ばね指とは、指を曲げる筋肉の腱鞘炎のために、いったん指を曲げると自力で伸ばせなくなり、もう一方の手を使って伸ばすようになってしまう病気です。曲がった指を伸ばす時に、カクンと伸びるので、ばね指と呼びます。正式には、弾発指といいます。
腱鞘とは、腱の通り道、つまり腱の鞘(さや)です。本来、腱鞘のなかには滑液という潤滑液があり、腱と腱鞘の間はとても滑りがよくなっています。しかし、使いすぎなどが原因で滑りが悪くなり、腱と腱鞘が徐々に炎症をおこしてきて、肥厚(厚みをますこと)してきます。そうすると引っかかりが出てきて、さらに肥厚して引っかかりが強くなるという悪循環に陥るわけです。
どんな症状が出るの?
どの指もばね指になる可能性があります。乳幼児に起きる場合もありますが、中年以降の女性にもっとも多く起きます。最初は、指の付け根の関節から1センチほど手首よりの手のひら側に、指を曲げ伸ばししたときの痛みから始まります。このあたりを押さえた痛みも出ます。進んでくると、先に述べたような「ひっかかり」が出てきます。感覚的には、指の関節がなっているように思えます。
もっと進んでくると、いったん曲げると痛くて指を伸ばすのに苦労するようになり、さらに進むと、指が曲がらなくなります。
どんな治療があるの?
上記のような症状があれば、診断は簡単です。
治療としては、消炎剤のはいった塗り薬や湿布を使うこともありますが、あまり効果はありません。
腱の中にステロイドの注射をすると、徐々に改善して、ひっかかりが無くなることがしばしばあります。これは、注射した間だけよくなるのではなく、それで治ってしまいます。注射を2、3回する必要があることもあります。
注射をしても改善しない、早く治したい、指が曲がらなくなってしまっている場合などは、手術をします。
手術は、指の付け根の関節から1センチほど手首よりの手のひら側を、1センチほど切開し、皮下で腱鞘を縦に切開して腱の通り道を広げるものです。局所麻酔でできて、10分ほどで終わります。
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