わかる!くわしい!高齢者の整形外科疾患
高齢者の「少し気になる」「とても心配」といった
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上腕骨頚部骨折とは?

高齢者で、骨粗鬆症にともなう骨折として頻度の高いものです。上腕骨のいちばん肩に近いところが折れるので、上腕というより「肩の骨折」といったほうが良いかもしれません。
転倒した際に、肩をぶつけたり、肘をぶつけたりすると、この骨折を起こすことがあります。手を付いた場合でも、起きることがあります。


どんな症状ですか?

症状は、肩の痛みです。通常は激痛があり、肩を動かすことができません。
骨折とともに、脱臼をしていることもあります。
場合によっては、手にしびれがくることもあります。


診断方法は?

診断は診察およびレントゲンで行います。
肩の腫れと強い痛みがあり、少しでも動かすと激痛が走る場合は、まず骨折をしています。ただ、脱臼でも同様な症状になります。いづれにしても、レントゲンで診断します。


レントゲン写真

上腕骨近位端骨折

治療方法は?


ズレのない骨折では、保存療法を行います。
ギプスなどはせず、三角巾とそれを抑える包帯や「バストバンド」という肋骨骨折のときに使用する固定帯を用いてしっかり固定し、2〜3週間経ったところから徐々に肩を動かすリハビリを行います。
リハビリは、初めは振り子運動といって、前かがみになって三角筋をしたまま腕を下におろし、ゆっくり肩を揺らせるような運動からはじめます。6週後からは、前方、側方、後方や、回旋方向などに、関節をどんどん動かす練習をしていきます。
ズレの大きい骨折では、手術を行います。

手術は、麻酔科で整復して、金属のピンやスクリューやプレートを用いて固定する内固定術、レントゲンを見ながら整復して骨折部にピンを刺して、そのピンを外側で固定する創外固定術をすることが多く、粉砕の強い骨折では、骨頭壊死の確率が高く、人工骨頭置換術の適応となります。


予後は?

一般に骨癒合は良好で、リバビリの正否が予後を左右します。
リハビリをしっかりやらないと、肩の動きが悪くなるので、しっかりリハビリすることが必要です。

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