「足腰の健康の重要性と関節の痛みの対処法」

【日　時】 平成28年11月9日（水）　午後1時～4時 （午後11時開場）
【場　所】 板橋区立文化会館 大ホール（東武東上線　大山駅徒歩３分）　地図はこちら

【講演内容】

①講演１
「ロコモ予防の大切さと関節の痛みの対処法」
NPO法人　高齢者運動器疾患研究所　代表理事
医療法人社団愛友会　伊奈病院　整形外科部長　石橋　英明先生

②講演２
「膝痛・腰痛の対処法：大規模調査‟お達者整形“からみえてきたこと」　　　　　　　　　　　
東京大学医学附属病院22世紀医療センター
関節疾患総合研究講座　特任准教授　村木　重之先生

③筋力アップ！いきいきロコモ体操！
埼玉医科大学　保健医療学部　
理学療法学科　教授　　藤田　博曉先生
　　　　　　　 　　 講師　　新井　智之先生

④質問コーナー
参加された方々にご記入いただいた質問票の質問に演者が
お答えしました。


【講演会について】
平成28年11月9日（水曜日）に板橋区立文化会館にて、「第23回板橋いきいき講演会」を開催しました。
前日は冷たい小雨が降っていましたが、当日は気持ちの良い秋晴れとなり、829名の方にご参加いただきました。
開演前に、超音波測定器を用いた骨量測定を行いました。
約500名の希望者の方から抽選で選ばれた130名の方に超音波骨量測定機器３台を用いて測定しました。
前回同様、骨粗鬆症マネージャーの資格をもった、骨粗鬆症の知識の豊富な３名の看護師による結果説明はとても好評でした。

予定通り、午後1時から講演会が始まりました。
今回のテーマは「足腰の健康の重要性と関節の痛みの対処法」で、演者は、高運研代表理事の石橋先生、東京大学22世紀医療センター特任准教授の村木先生、さらに、埼玉医科大学教授の藤田先生と同大学講師の新井先生でした。
当日は米国の大統領選挙があり、冒頭の石橋先生の挨拶の中で「トランプ優勢」との速報が伝えられた際に、失望のようなどよめきが湧きあがったのが印象的でした。

最初は石橋先生の講演でした。
ロコモ予防の大切さと関節の痛みの対処法についてで、運動は関節や筋肉への効果だけでなく、糖尿病や認知症、脂質異常症(高脂血症)の予防・改善にも効果があるとの話でした。
さらに、打撲や捻挫などの急な痛みがでた場合の対処法、関節リウマチや変形性関節症の痛みの特徴と対策など、日常生活の中で大変役立つ内容でした。

村木先生の講演では、膝痛と腰痛の対処法を、和歌山と板橋で合計3000名を対象とした大規模調査から明らかとなった結果を含めて話しました。 膝の変形や腰の変形の患者さんはとても多く、膝の変形が強いほどその痛みも強いが、腰の変形の程度と痛みの程度は関連が小さいとのことでした。
また、膝の変形が強い人や、歩くのが遅い人は転倒しやすいとのデータも示されました。そして関節を守るためには、運動がとても重要だということを強調して話しました。

次は「いきいきロコモ体操」の実演指導です。担当は藤田先生と新井先生でした。
参加者の方の中には複数回参加の方も多く、すでにロコモ体操を習慣にされている方が多数いらっしゃるようで驚きました。
今回は、ロコモ体操で鍛えられる筋肉のことを詳しく説明し、そのあとで皆さんと一緒に歌いながら楽しく体操を実施しました。
また、伊奈町で行った3ヶ月間のロコモ体操による運動機能の改善効果のデータも紹介しました。

最後の質問コーナーでは石橋先生、村木先生、藤田先生が、参加者の方からのご質問に時間の許す限りお答えしました。
質問の中では、心臓の病気がある場合には運動の負荷をどう配慮したら良いか、また手術のタイミングのこと、足がつることなど多くの悩みが寄せられ、各先生が病気や手術のこと、お薬のこと、運動のことなどについて回答しました。

ご参加の方々は、大統領選挙の状況も含め、社会や健康に対する関心が高く、とてもお元気な印象を受けました。
今回もたくさんの方にご参加いただきありがとうございました。

講演中の石橋先生	講演中の村木先生

みんなで「いきいきロコモ体操」 スクワットをする会場の皆さん   質問コーナーの様子